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今、健康なあなたへがんの予防・早期発見

日本では、2 人に 1 人ががんに罹り、3 人に 1 人ががんで亡くなっています。
毎年約 38 万人もの方ががんで亡くなっています。がんは、ヒトの命を奪う病気ですが、現在の医療水準であれば十分に治癒が見込めます。治すために最も重要なことは早期発見することです。治療成績が極めて悪い膵がんでさえ早期発見すれば治る可能性が高まります。定期的にがん検診を受けることが肝心です。
弊社は、がんの要因となる歯周病菌を測る検査や血液のみを用いてがんを早期発見する検査を提供します。

歯周病菌の定量検査を行います

最近、歯周病菌が糖尿病、脳梗塞、心筋梗塞、誤嚥性肺炎、骨粗鬆症、認知症、がんなど多くの全身疾患の発症に関与していることが知られています。最も強力な歯周病菌であるポルフィロモナス・ジンジバリス( Porphyromonas gingivalis,Pg )は、膵がんやアルツハイマー型認知症の発症リスクを上昇させることが報告されています。
また、他の歯周病菌フソバクテリウム・ヌクレアタム( Fusobacterium nucleatum,Fn )も大腸がん、乳がん、食道がん、胃がん、口腔がんなどの発症や進行に関与していることが明らかにされています。さらに、歯周病治療により糞便中の Fn 菌が減少することが示されています。

本検査では、口の中の Pg 菌および Fn 菌の量を測定します。実際には、綿棒で舌をこすることにより口腔内細菌を採取し DNA を抽出します。つづいて、 PCR (ポリメラーゼ連鎖反応)検査で細菌量を測定します。

血液中の CXCL13 の量を調べます

CXCL13 は、ケモカインと呼ばれているものの一つでがん細胞ではなく免疫細胞が産生します。2007 年に頭頸部がん患者さんの血液中で CXCL13 が増えることが発見されて以来、乳がん1)、前立腺がん2)、肺がん3,4)、肝がん5)、膵がん6)、胃がん7)、腎がん8)患者さんの血液中でも増えることが明らかにされました。本検査では、血清中の CXCL13 の量を測定します。

■参考文献
1) Panse J, et al. Chemokine CXCL13 is overexpressed in the tumour tissue and in the peripheral blood of breast cancer patients. Br J Cancer 99:930-938,2008.
2) Singh S, et al. Serum CXCL13 positively correlates with prostatic disease, prostate-specific antigen and mediates prostate cancer cell invasion, integrin clustering and cell adhesion. Cancer Lett 283:29-35,2009.
3) Shiels MS, et al. Circulating inflammation markers and prospective risk for lung cancer. J Natl Cancer Inst 105:1871-1880,2013.
4) Singh R, et al. Expression and clinical significance of CXCR5/CXCL13 in human nonsmall cell lung carcinoma. Int J Oncol 45:2232-2240,2014.
5) Li B, et al. CXCL13 rather than IL-31 is a potential indicator in patients with hepatocellular carcinoma. Cytokine 89:91-97,2017.
6) Lee KE, et al. Hif1a deletion reveals pro-neoplastic function of B cells in pancreatic neoplasia. Cancer Discov 6:256-269,2016.
7) Meng X, et al. Distribution of circulating follicular helper T cells and expression of interleukin-21 and chemokine C-X-C ligand 13 in gastric cancer. Oncol Lett 16:3917-3922,2018.
8)Zheng Z, et al. CXCL13/CXCR5 axis predicts poor prognosis and promotes progression through PI3K/AKT/mTOR pathway in clear cell renal cell carcinoma. Front Oncol 8:682,2019.

血清エクソソームに含まれているマイクロ RNA の量を調べます

マイクロ RNA は 18~25 塩基からなる小さな RNA (核酸) で、標的遺伝子に結合することにより、その遺伝子の働きを抑えます。2000年に初めて哺乳類におけるマイクロ RNA が発見されて以来、現在までにヒトでは 2,656 種類のマイクロ RNA がデータベース (miRBase 22, http://mirbase.org/) に登録されており、じつにヒト全遺伝子の 30~40% がマイクロ RNA の制御を受けていると言われています1)

さらに、これらマイクロ RNA の異常が、がん、感染症、生活習慣病など様々な疾患に関与していることが明らかにされています。がんにおいてマイクロ RNA の関与が初めて明らかにされたのは 2002 年で、miR-15a および miR-16-1 の減少が慢性リンパ性白血病の一因であることが示されました2)
その後、いろいろながんにおいて増えたり、減ったりするマイクロ RNA がたくさん見つかりました。がんで増えるマイクロ RNA としては、miR-21、miR-19 などが知られており、中でも miR-19 はがん化に必要であることが明らかにされました3)

このように、がんで増えてアクセルとして働くマイクロ RNA は がん促進型マイクロ RNA (oncogenic microRNA, oncomiR) と呼ばれています。一方、多くのマイクロ RNA はがんで減っており、let-7、miR-34a などが報告されています。肺癌では let-7 の減少と治療の成否が相関することが明らかにされており4)、その標的にがんのアクセルとして働く Ras 遺伝子が含まれていることが知られています5)

がんのアクセルを標的とし、がんのブレーキとして働くマイクロ RNA は、がん抑制型マイクロ RNA (tumor suppressive microRNA, TS-miR) と呼ばれています。さらに、最近ではヒト体液 (血液、唾液、尿、乳汁など) 中にマイクロ RNA の存在が明らかにされ、がんを検出するための有用な目印となることが示されています6)
さらに、マイクロ RNA によるがんの診断を行う場合、体液からエクソソームを取りだすことがとても重要となります。エクソソームは、体内のあらゆる細胞が分泌する 30~100 nm程度の小胞顆粒で、常に体液中を循環しています。2007 年に Valadi らがエクソソームにマイクロ RNA が含まれていることを初めて発見しました7)。がん患者においては血清中のエクソソームに含まれる特定のマイクロ RNA の存在量が変動することがすでに明らかにされています8-11)

このように、血液などの体液を循環しているエクソソーム中のマイクロ RNA ががんをはじめ様々な疾患の診断に応用できる可能性は極めて高いと考えられます。
本検査では血清中のエクソソームに含まれる全てのマイクロ RNA の存在量を調べることにより、がんに罹っているかどうかを評価しています。また、がん患者において存在量が変動する多くのマイクロ RNA の中で、特に miR-26a-5p ががん患者では少なくなる場合があること、また miR-1224 が増える場合があることなどがわかっています。

■参考文献
1) Lewis BP, Burge CB, Bartel DP: Conserved seed pairing, often flanked by adenosines, indicates that thousands of human genes are microRNA targets. Cell 2005;120:15-20.
2) Calin GA, Dumitru CD, Shimizu M et al: Frequent deletions and down-regulation of micro-RNA genes miR15 and miR16 at 13q14 in chronic lymphocytic leukemia. Proc Natl Acad Sci USA 2002;99:15524-9.
3) Olive V, Bennett MJ, Walker JC et al: miR-19 is a key oncogenic component of mir-17-92. Genes Dev 2009;23:2839-49.
4) Takamizawa J, Konishi H, Yanagisawa K et al: Reduced expression of the let-7 microRNAs in human lung cancer in association with shortened postoperative survival. Cancer Res 2004;64:3753-6.
5) Johnson SM, Grosshans H, Shingara J et al: RAS is regulated by the let-7 microRNA family. Cell 2005;120:635-47.
6) Kosaka N, Iguchi H, Ochiya T: Circulating microRNA in body fluid: a new potential biomarker for cancer diagnosis and prognosis. Cancer Sci 2010;101:2087-92.
7) Valadi H, Ekstrom K, Bossios A et al: Exosome-mediated transfer of mRNAs and microRNAs is a novel mechanism of genetic exchange between cells. Nat Cell Biol 2007;9:654-9.
8) Ogata-Kawata H, Izumiya M, Kurioka D et al: Circulating exosomal microRNAs as biomarkers of colon cancer. Plos One 2014;9:e92921.
9) Madhavan B, Yue S, Galli U et al: Combined evaluation of a panel of protein and miRNA serum-exosome biomarkers for pancreatic cancer diagnosis increases sensitivity and specificity. Int J Cancer 2015;136:2616-27.
10) Wang H, Hou L, Li A et al: Expression of serum exosomal microRNA-21 in human hepatocellular carcinoma. Biomed Res Int 2014;2014:864894.
11) Eichelser C, Stuckrath I, Muller V et al: Increased serum levels of circulating exosomal microRNA-373 in receptor-negative breast cancer patients. Oncotarget 2014;5:9650-63.

検査の実際

<がんの早期診断を受けて>

 夜中に目が覚めるほどの背中の痛みがあり、息苦しく動悸がしたので、一般の病院を受診しました。内科では、血液検査、肺のレントゲン、心電図の検査を受けましたが、特に異常はなく、婦人科の受診を勧められました。婦人科で、子宮の超音波検査と子宮頸がん・体がんの検査を受けたところ、卵巣がんの疑いがあるとのことで、さらに別の病院でMRI検査を受けました。しかし、結局異常は見当たらず、かといって体調は変わらずで、不安なままなす術がなかったところ、この検査を知って受けることにしました。一般的な検査ではがんを見過ごしているのではないかとの不安があったものの、 PET のような被曝の可能性がある検査は気が進まなかったこともあり、血を取るだけで体に負担がなく全身のがんの有無を調べられることにメリットを感じました。

 検査当日、事前の食事制限等は一切ありません。予約した日に、指定された近くの提携医療機関で血液を約 10 ml 程取られました。採血は一般的な健康診断と同じで、5〜10 分程度で終わります。費用は保険適用されず、全額自己負担になります。 CXCL13 検査が 33,000円(税込)、マイクロRNA検査が 330,000円(税込)でしたが、同時の検査申込でしたので CXCL13 検査の費用は無料にして頂きました。

 血液中の CXCL13 と血清(血液を遠心分離)中のマイクロ RNA の量をそれぞれ調べます。CXCL13 とはケモカインと呼ばれる免疫細胞を呼び寄せるホルモンみたいな小さなタンパク質でがん患者の血液中でも増えることがわかっています。マイクロ RNA は機能性核酸と呼ばれるもので、明らかにがんがある場合は、特定の約 200 種類のマイクロ RNA の量が変動します。

 結果は、2〜3 週間後に書面で届きました。私の場合、CXCL13 の値は 46.1 pg/ml (正常値は 50 pg/ml 未満)で問題なし、マイクロ RNA は、頭頸部がん、大腸がん、膵臓がん、肺がん等に関連する値はすべて正常値で、現時点ではがんは存在しないと判定されました。万一、がんの可能性ありと診断された場合には、提携している医療機関のドクターと治療方法、検査等の相談へと進むことになるのですが、私の場合は異常なしとのことで、検査はこれで終わりです。不安が取り除かれたせいか、その後体調は良くなり背中の痛みも自然に治りました。今思えば仕事や家庭のことでストレスを抱えていたのが原因だったのかもしれません。ただ、この検査を受けてとても良かったので、これからも定期的に受けたいと思っています。

(あくまで個人の感想であり、弊社で若干の編集を加え掲載させて頂いております)

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